娘ぽや子の友人で、東大理三の再受験のために国立大医学部医学科を休学している女子がいます。もう大学では全く姿を見ないそうですが、某個別指導塾に通っているとの風の噂を聞いたそうです。国立大医学部の籍は確保しておきつつ、来年東大に再挑戦するためにマンツーマンの個別指導塾で猛勉強しているらしいとの事。入試は東大理三ではなく東大理二で合格して、3年次からの進振りで医学部へチャレンジするらしいと。すごいチャレンジ精神です。
集団塾ではなく個別指導塾?
東大を目指す生徒は、鉄緑会や駿台・河合塾など大手の予備校に通うイメージがありますが、今は個別指導塾にも注目が集まりつつあるようです。それぞれの規模は小さいですが、その分生徒一人ひとりに指導が行き届くため、着実に実績を伸ばしつつあるようですね。とくに浪人生にとって集団授業は非効率で、既に履修済みの内容をやり直すのは時間の無駄なので、個人が補強すべきところをマンツーマンで効率的に伸ばしてくれる個別指導塾がこれまでになく注目されているようです。確かに自分のペースで受験勉強を進められて、ピンポイントで質問に答えてもらえる個別指導は、かなり合理的だと言う事でした。
配慮の行き届いた自習室の完備も魅力の一つのようです。↑
女子なんだからそうまでして理三に行かなくても・・・
ぽや子の友人の話を聞いて、ついつい自分の思考の悪いクセが頭をもたげます。
まさに男尊女卑の思考回路が無意識に沁み込んでいますね。女性である私自身が「女子なんだから」と枕詞(まくらことば)を使ってリミットをかけている事が情けない。こういう思考は、娘ぽや子にも伝わってきてしまったのでしょうか・・・。
かつて私自身の大学入試では、東京の大学を受験したいと母に言ったら「女子なんだから地元の大学で十分」と呪文のように刷り込まれました(笑)。既に兄が関西の大学に進学していたので、仕送りやなにやらの経済的負担をこれ以上増やしたくないという背景もあったのでしょう。
「じゃあ合格したら考えよう」と言われ、MARCHの一校に受かったものの「女の子が東京なんかに行ったら嫁のもらい手がなくなる」という謎の理由により進学を却下されました。MARCHも、実家がある田舎では全く知名度がなく、大学在学中に海外へ交換留学させてくれる事を条件に、地元の大学に進みました。
まぁ今の人生が幸せなので何もしこりはありませんが、当時の事を反面教師として、娘には「どこでも好きな大学に行きなさい」と常々言ってきたつもりでした。
ところがぽや子自身も高校で、東大に推薦合格してしまうような同級生の男子を目の当たりにして、「私なんかとても足元にも及ばない。理三なんてとんでもない。地元の国立大医学部で十分」と言うようになり、いつしか壮大な野心は消え去り現実路線を目指すようになりました。それはそれで人生の遠回りを回避できて良い事でもあった訳ですが、ちょっと引っ掛かったのが「男子には到底勝てっこない」的なニュアンスを、ぽや子の発言に嗅ぎ取った点でした。
日本社会の中で、女子は「控えめ」な態度が礼賛され、女である事を「わきまえる」よう刷り込まれていくのです。諸々の理由はあるにせよ、こうして日本の女子は、とんがった野心や野望を親や周囲によって削ぎ落とされ、丸くコンパクトに収まっていく訳です。東大生の女子比率が2割を超えないのも、こうした背景要因がある訳で、とにかく受験するまでのハードルが高い高い。
だから理三を目指して頑張れる環境を与えられているぽや子の友人は、特別に恵まれた家族関係や人間関係の中にいると言えます。女性だからと周囲の圧によって未来の可能性を諦めざるを得ない人や局面に直面する時、必ずあるスピーチを思い出します。
2019年4月の東京大学式で、東大名誉教授の上野千鶴子さんが新入生に贈った祝辞です。
〜(中略)〜
がんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。あなたたちが今日「がんばったら報われる」思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと…たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。
あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください
娘ぽや子の友人の、来年度の東大合格を心から祈るのでした。
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