コロナ帰省中の東大生

ついに息子トムが自宅に戻って参りました。大学の講義も完全オンライン化され、さらに10月までの休暇に入り、コロナ禍も長期戦の構えなのでしばらく実家で過ごす事にしました。

メンタル崩壊の一歩手前でした（汗）

親としてはコロナ感染も心配ですが、実はそれ以上にメンタル面の心配がMAXを超えました。東大も4月から完全オンライン化されたため殆ど大学のキャンパスには行っておらず、バイトもオンライン家庭教師のみ。狭いマンションの一室で、文字通り何ヶ月間も引きこもり生活が続いていました。

本来であれば卒論や院試（大学院入試）、就活についてのアドバイスを、研究室に出入りする事で教授や先輩からもらえたり、友人と情報交換したりガス抜きができたのに、それが一切出来なくなって不安しかないと言います。曜日の感覚もなくなり、最後に人とリアルな会話をしたのがいつだか思い出せず、週末に至っては一言も自分の声を発しない、と漏らしました。トムはメンタルは強い方で、親にすら滅多に弱音を吐かないの人ですが、ここへきて「孤独だ・・」「気が変になりそうだ・・」とLINE電話で心情を吐露するに至り、「すぐに帰省しなさい！でないと仕送り止めるよ！」と半ば強制的に帰省させました。

コロナ禍の中、田舎の実家に帰省して、ご近所さんから嫌がられたりトラブルが発生しているのをニュースで見て、遠慮する気持ちもあったようです。うちも高3JKという受験生を抱えているし、無理に帰省させるのも躊躇っていました。しかしそんな事ももう言ってられません。大学生がうつ病にかかったり大学を退学したりするニュースも社会問題として報じられています。小中高校は学校が再開されましたが、逆に大学は完全オンライン化が進みました。東大本郷キャンパス至近のマンションに住んでいるのに、今となってはキャンパスに行けない以上、どこに住んでいても同じ状況になってしまいました；

未だに一度もキャンパスに行った事がない京大一年生

名古屋在住のママ友で、今年京大に合格した娘さんがいるのですが、喜んだのも束の間、本人は未だに一度も京大キャンパスに行った事がないという方がいらっしゃいます。入学式も講義も全てオンライン化され、娘さんは自分が大学生になったという自覚が持てないと言うので、困っておられました。一番のダメージは、新入生なのに友達が一人もできない事です。大学に所属する意味が分からない、と悩んでおられ、事態は深刻です。新入生でも新入社員でも、新たな環境に入るタイミングでコロナ禍の影響を受けた若者には、特にダメージが大きくなります。

・・・帰省したトムは、コンビニ弁当漬の毎日で食も細くなり、げっそりと痩せておりました。在宅勤務で家にいる私や夫の手料理を朝昼晩と食べ、ペットの犬や猫と触れ合い、妹のぽや子の勉強をみてやるなど、家族との当たり前の日常を通して、人間らしい生活を取り戻しつつあります。

現役東大生の専属家庭教師という贅沢

オンラインで高校生の家庭教師をやっているので、高3のぽや子の家庭教師もお願いしました。すると毎晩ぽや子が帰宅するのを待ち構えて、夕食もそこそこに受験勉強の指導を毎晩やってくれるようになりました。「この時期に赤本（過去問）が手付かずとは何事か！？」とぽや子にはっぱをかけております。勉強について親が小言を言っても不機嫌になるだけのぽや子が、素直に言う事をきくのは、この兄だけです。この点は本当に助かっています。（・・・謝礼に6万もするメガネを新調させられましたが・・・。）

遠方の大学や会社に通うためにお子さんを一人暮らしさせていらっしゃる親御さんは、特に気をつけてあげてください。本人ですら気がつかないストレスにやられて、うつ病の一歩手前になっている事もありえます。やる気が出ない、集中できない、部屋が散らかり気味、誰とも会話していない、などは危険信号です。一人暮らしの若者は特にしんどいはずです。どこにも出かけられない今の時期、ストレスがたまらない方が無理ですよね・・・。

この先どうなるのか見通しも立たず、不安も大きいですが、家族が無事に元気でいてくれることが最大の幸福であり、家族の絆に改めて感謝している今日この頃です。