またまたコロナの罹患者数が浮上し始めてますね~。コロナの第2波が来るというのは、取り越し苦労ではないようです。
やっと政府も重い腰を上げ、9月入学制導入の検討を始めたのも束の間、まさかの「断念」となってしまいましたね。コロナの第2波が来たら、そんなことも言ってられないと思うのですが・・・。
「9月入学制度は見送り」
根強い反対派は意外にも、政党や関係省庁の若手(30~40代?)が多い印象です。加えて教育現場の現役の教師たち。入学が先送りされることで、来年小学一年生に上がる子供の数が激増し、小学校のキャパがオーバーするとか、それに伴い保育園の待機児童が激増するとか、そういった理由です。・・・社会構造を大きく変える訳ですから、あちこちにひずみが出る事は避けられないでしょう。現場にも相当の負荷がかかる事は必至です。
しかしながら、肝心なのはこのまま日本が、日本の子供達だけが、戦後の旧態然とした学制のままでよいのかという事なんじゃないかと思ってます。そもそも4月入学制度って、日本だけですよね。私自身、大学3年時にアメリカに1年間留学しましたが、学期の始まりが半年ズレているがために出発時も帰国時も単位編入の手続きなどで苦労した記憶があります。グローバル化といいつつも、昔の制度は温存しながら人だけ変われといっても無理じゃね?と思ってしまいます。
そしてまた未来永劫あいもかわらずインフルエンザが絶賛蔓延する極寒の1・2月をわざわざ選んで、降雪による交通網の麻痺リスクにさらされながら、年々減りつつある日本の子供達は全員もれなく「学力」のみならず、「謎の運だめし」(≒インフルにもかからず、降雪にも見舞われないという)に挑むわけです。あ~、悲惨。それを支える子育て家庭も、家族がインフルにかからないように戦々恐々とせざるを得ません。
受験環境の理不尽はおいておいても、そもそも今年の大学受験生45万人は一体どーなるのでしょうか。3か月間の休校期間は、7・8月の酷暑時に教師も生徒も登校して、2~3週間の補習で「修学の遅れを補った」ことにするのでしょうか。そんなことならいっそのこと、コロナが再燃して再び休校になり、否が応でも学制の見直しと今年度の受験生への公平な対応を、政府と文科省は真剣に考えてほしいとさえ思ってしまいます。
ここ1~2年の混乱だけにフォーカスして大きな課題を先送りにするのではなく、この先10年・20年後の日本の未来の姿を見据えて、日本が真にグローバル人材を育てて世界を相手に対等に伍していくには何が必要なのかを、9月入学制度のみならずあらゆる教育制度の視点から見極めて、そこを起点にして今の現状をどう打破すべきかを俯瞰的に判断してほしいものです。安倍首相には、いろんなノイズに惑わされず諦めず、大きなビジョンでドライブをかけてほしいと切に願います。アベノマスクとか要らないですから、大切な日本の子供達の将来について、真剣に取り組んでほしいです。
野党・国民民主党は、「9月入学」自体は、就学前の子どもたちへの影響が大きすぎるなどとして、導入を見送るべきだとする一方で、受験生にも学びの格差や遅れが生じているとして、来年に限って大学入試の時期を遅らせて春と夏の2回行うべきだとしているのだそうです。う~ん、また「複数回受験」ですか?
そもそもこの学年はこれまでにも、「大学入試制度改革」の初年度の受験生として、共通テストの初導入や、英語科目における外部団体(英検やGTEC)の複数回の試験導入(※複数回の受験は受験生に経済的負担をかけるとして中止に)、数学・国語の記述式問題の導入(これも結局見送りに)などなど、2年越しで迷走し続ける文科省の教育改革にさんざん振り回されてきたのです。それなのにまた安易に「複数回やれば公平化する」的な発言は慎重に控えてほしいものです。またまた学校側も生徒も余計に混乱しますから。そもそももう今年度の話ですよ?そんなこと本当にできるんですか?
「子どもの未来には国民的議論を」?
もう議論はいいから、一日も早く今年度の大学入試方針を国会で決定してほしいものです。当の受験生達の意見にも、ちゃんと耳を傾けてほしいです。時間をかければかけるほど、議論を広げれば広げるほど、いろんな思惑を持つ関係者たちが議論をかくはんしだすので、改革の実現は遠のきます。
早々に9月入学制度の導入を決定し、そのために山積する課題を全力で解決する方向に舵を取るべきだと思うのですが。「じっくり議論」とかもういいから、スパッと方針を決めて、その達成に向けて動き出してほしいものです。どうなるのかわからないまま、高3生たちは毎日不安を抱えて学校に通ってます。そしてそれを支える親達も、不安と心配にさいなまれつつ日々過ごしております。
給付金とか助成金とか政府はやること満載ですが、入試制度や学制の変更も、期限のある最重要事項であり、未来の日本を担う子供達の将来を左右する最優先事項であることを、ぜひ認識してほしいです。