ときどき息子トムからLINE通話が入ります。
などと、大学のキャンパス内をライブ中継しながら、近況を報告してくれます。キャンパス内はコロナ渦で、人影もまばらで閑散としています。
歩きながらトムは、今やっている研究内容を延々と熱く語ります。
専門は「機械学習」で、AI(人工知能)の一種とされています。経験からの学習により自動で改善するコンピュータアルゴリズムやその研究領域を指し、「訓練データ」もしくは「学習データ」と呼ばれるデータを使って学習し、学習結果を使って何らかのタスクをこなす、というものです(Wikipediaより)。
まー正直、内容は難しすぎてよくわかりませんが、実に楽しそうな様子だけは伝わってきます。
先日はある動画(※以下は動画の画面のキャプチャ)をLINEで送ってきました。
研究室で出された課題なのだそうですが、もともとは何の変哲もない、高速道路を行き交う車の様子が延々10分ほど録画されただけの動画に、「パフォーマンスを向上せよ」と一言お題が出されたそうです。
なんのこっちゃかわかりませんが、トムはこれに、行き交う車の種類を判別して、それぞれの台数や速度を計測できるプログラムを書いたそうです(緑や黄色の囲い部分)。提出した課題は、優秀なプログラムだとして教授に褒められたそうです。←ここを強調したいらしい笑
母はひたすら「へーそうなの、すごいね、面白いね」などと相槌を打ちながら、その研究内容を理解しようと一生懸命に説明に耳を傾けます。
でも機械学習ってAIを操るってことなのね。なんか凄いね。
※Kaggle(カグル)とは、世界中の機械学習・データサイエンスに携わるエンジニアが集まるコミュニティのことで、企業や政府などの組織と、データ分析のプロであるデータサイエンティストや機械学習エンジニアを繋げるプラットフォームのことだそうです。参加者はKaggler(カグラー)と呼ばれ、コミュニティの最大の目玉は「Competetion(コンペ)」で、企業や政府がコンペ形式で課題を提示し、賞金と引き換えに最も精度の高い分析モデルを買い取るという、クラウドファンディングの一種なのだそうです。
凄いね。そんな世界があるんだね。
凄いね。そんな友達がいたんだね。
凄いねしか言えない母の乏しい語彙力・・・。
感慨深いのは、かつてスマホ廃人となりゲームばっかりやっていた息子トムが、今はAI領域で東大の教授に褒められるよーなプログラムを書いているということ。
そしてお伝えしたいのは、一見無駄なことや回り道に見える経験が、いつか線になり、子供の未来へと繋がるということ。まさにスティーブ・ジョブズの「Connecting the Dots」で、子供がハマること・好きなことは、その子の将来を形作る要素だったりします。当時トムがゲームやスマホのコンテンツに注ぎ込んだ膨大な時間と労力が、今の研究の一端に少なからず役立っているのは間違いない(と信じたい)。
かつてはスマホでコンテンツを楽しむだけの「消費者」だったトムが、今度は何かを生み出す「生産者」側に回ろうとしていることはよく分かりました。
もっと早くプログラミングに出会っていたら、と欲が出ますが、今後は小学校でプログラミング教育が必修化されることもあるので、日本人の中から偉大なIT起業家が出てくることも夢ではありません。
子供にはパソコンを買い与えよう
近年会社に入社してくる新卒のZ世代達は、スマホを当たり前に使いこなすデジタルネイティブであります。レポートや卒論をスマホで書くのは当たり前。ただ意外なのは、パソコンを使ったことがない、という新入社員も少なくないのです。
スマホはあくまでコンテンツの「消費者」のためのツールです。プログラミングしたりWEBデザインしたりなどの「生産者」としてのツールは、やはりパソコンです。
消費者として提供されたコンテンツを消費するだけでは、将来稼げません(笑)
生産者側になるためには、やはりパソコンを与えないといけないのだなと。(トムはMacBookを大学生になってからバイトして買いました)
これからの時代、未来を変えていく人になるには、パソコンとそれを使いこなすスキルが必須なのです。
今の時代の到来がもう10年早かったら、私もプログラミング習っていたのになぁなどと思ったりする今日この頃なのです。