10. 東大生の浪人時代

東大生の浪人時代(2)~挫折を経験して~

息子トムは浪人生活をスタートさせました。東大受験のための勉強が心おきなくできる事を喜んでいるようにも見え、「浪人生」という社会的ステータスに危機感を抱いているようにも見えました。たとえ浪人しても、1年後に東大に受かるという保証はどこにもない中、私もトムも言い知れぬ不安の中にいました。しかしこの選択肢しかありません。1年頑張ってダメなら、本人の気持ちにも区切りがつくだろうと思い、一緒に進むしかないと私も腹を括りました。 

トムは毎日朝6時には起きると朝食を済ませ、7時には家を出て、満員の通勤電車に揉まれながら片道50分をかけて駿台に通いました。終日授業を受けた後は、夕方から駿台が閉まる夜10時まで自習室で勉強をして帰宅しました。当初の2か月間は親への気兼ねからか、非常に殊勝な態度でした。食欲も減退していたのか、みるみる痩せていきました。

「お母さん、ありがとう😢」

そして驚くべきことに、何かにつけて親に感謝の言葉を発するようになりました。高校時代の反抗期の、傍若無人な態度が嘘のようです。食事を用意したり、雨の日に最寄り駅への送迎をしたり、予備校やZ会などの学費の請求書にお金を渡したりする都度、私の目をまっすぐに見て「お母さん、ありがとう。悪いね」などと言うようになったのです。これには私は心底驚きました😳 

もしあのまま、現役のまま東大に受かっていたなら、トムは挫折を知らないまま、人生を舐めきった鼻もちならない若造になっていたに違いありません。浪人を経験する事で、いろいろなものが見え始め、精神的に成長できたのではないかと思います。今思えば、浪人を経験した事は、結果的には息子の人間性の醸成にプラスになったと思います。特に浪人生活に突入した4~8月の1学期は、親の方が心配してしまうほど、勉強漬けの毎日でした。しまいには私の方が、

「たまには息抜きした方がいいんじゃない?😨」

などと心配するほど、切羽詰まった様子で勉強していました。この頃トムがハマった教材の一つに、Z会の「東大英語コース」がありました。良問・難問揃いで、課題をこなすのに4~5時間はかかっていたと思います。駿台に授業の予習・復習に加えて、Z会の最高レベルの添削教材をこなすのはかなり負荷がかかっていた筈ですが、息子はかなり熱中して消化していたようです。私も高校時代にZ会の英語を受講した事があり、その問題の難しさや質の高さに、解けないと悔しさのあまりどんどんのめり込む事を知っていました。息子は締め切り日までに答案用紙を投函する事に燃えていて、徹夜までして答案用紙を完璧に完成させる事もありました。かつてスマホ廃人と化した際に、ゲームに没頭した時の息子を彷彿としました。いったん何かにはまると、寝食を忘れてのめり込む性格の息子なだけに、Z会の教材はゲーム替わりにうってつけだったようです。 

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トムは夏休み明けまでは、至ってまじめな浪人生なのでした。

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