10. 東大生の浪人時代

東大生の浪人時代(12)~旅立ちの日々~

3月10日に合格発表があってから、4月12日入学式までの一か月間は、怒涛の忙しさでした。大学での入学手続きや健康診断、学生マンションへの引っ越しなどなど、トムと共に名古屋と東京を車や新幹線で2~3度往復しました。私は仕事を持っているので平日はなかなか動けず、全て週末に寄せて実施しました。引っ越し作業も事務手続きも、私とトムの二人でやり切りました(夫のプレゼンスはこの時はゼロです笑)。

旅立ちの挨拶 

母校の高校の恩師T先生にも、トムがまずは電話で合格を伝えました。すると電話の向こうで大喜びして下さり、「一回学校に来い!」と言ってくださるので他の友達と一緒に挨拶に行くと、合格祝いになんと焼肉を御馳走してくれたそうです。本当に兄貴分のような素敵な先生です。この若き熱血数学教師のお陰で、トムの人生は大きく変わったのでした。中学受験をしてこの学校にご縁を頂け、T先生に出会えて本当に良かったと思いました。

他にも、通っていた塾や駿台予備校にも報告に行き、その都度あちこちから「合格体験記」の執筆やアンケートを依頼されていました。なかには2000円分くらいの図書券が貰えるものもあり、トムはまじめに提出していました。毎年難関大合格速報を実名入りで載せる「週刊朝日」や「サンデー毎日」からも、予備校経由でアンケート依頼が来ました。 

週末には実家や親せきの家にも挨拶に行き、お祝い金をがっぽり集めました。とくにじじばばの喜びようは凄まじかったです。「孫が東大に受かった!!」などとご近所に自慢するので、恥ずかしくて困りました。

入学諸手続き@駒場キャンパス

3月末から4月頭にかけて、健康診断や入学のための諸手続きが駒場キャンパスでありました。2年生まではここに通う事になります。トムと一緒に門をくぐると、早速サークルの勧誘が何件もありました。キレイなお姉さん達がビラを手に近寄ってきます。「インカレテニスサークルの〇〇なんだけど、もうサークル決めたぁ?☺」などと声をかけてきます。 

トムは勧誘の女子大生達に囲まれて、ニコニコと嬉しそうです。

私は、「あぁ、やっとトムの青春が始まるのだなぁ☺」などと感慨深くなりました。思えば多感な思春期の6年間をむさくるしい男子校で過ごし、更に1年間は灰色の浪人生活を送ったのです。女子とのコミュ力はゼロに等しい状況でした。華々しく大学デビューして、彼女の一人もゲットしてほしいものだと切に願いました。

東大駒場でのキャンパスライフ

美しいポプラ並木の道の両側には、様々なサークルの勧誘の看板が並べられていて、学生たちが新入生たちに呼びかけています。ふと30年前の自分の大学時代を思い出し、これからここでキャンパスライフを始めるトムが、羨ましくなりました。大学生協や学食が入った先進的で美しい学舎の前では、大勢の男女学生達が、ガラスに映る自分達の姿を確認しながら思い思いにダンスの練習をしています。カッコいいヒップホップダンスでした。

「これが東大かぁ~~~😳」 田舎者の私は見るモノにいちいち感動し、溜息を洩らしました(笑)

トムと一緒に東大生協で行き、教科書やパソコン、プリンタなどを購入しました。新入生たちが列を作り、あらかじめ指定された教科書を受け取ったり、学生証用の写真撮影をしたり、MacBookや推奨プリンタの申し込み手続きをこなしていきます。半数以上の学生が親(母親が多い)を伴って来ていて、どの親子の表情もそれは誇らしく嬉しそうでした。思わず7年前の中学入学準備の時と比べてしまいました。

その時偶然、トムは予備校で一緒だった東〇高校のA君に声をかけられました。

「やあ!これから宜しくな!」

イケメンでコミュ力の高いA君は、さわやかにトムに挨拶をしてくれました。そしてしばらく二人で立ち話をした後、私にも軽く会釈をして、さわやかに去って行きました。このような場所で、あのようなさわやかな友人がいてくれる事に、心底感謝したのです。 この後は無事に引っ越し終え、東大入学式の日を迎えるのでした。

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さて、東大の合格通知書を受け取ったところまでを書き終えて、本ブログで著したかった事をある程度書ききった感があります😅いわゆる「達成感」です。

保育園時代にはいじめっ子に虐められ、その反動からか小学校低学年では担任から「保育園上がりの問題児」扱いされ、小5の終わりには地元公立中学に蔓延する「いじめ体質」を知り、慌てて小6から中学受験塾に入った息子トム。私立中高一貫校で6年間を過ごすも、スマホを買い与えた中3から高2の夏まで「スマホ廃人」と化し、一時は社会復帰が難しいのではないかと真剣に思い悩む日々でした。しかし周囲が大学受験体制に突入していくと、やっと覚醒して猛勉強を開始し、東大を受験するも現役では失敗。慶応理工を辞退して1浪の末に第一志望の東大理科Ⅰ類に合格するまでの軌跡(奇跡)を書き綴るなかで、自分の育児経験を振り返り改めて見えてきた事もあります。 

子育てはあくまで個人的で主観的なイベントですが、母親達の大半はその人生をかけてフルコミットしています。人が生まれて成長していく過程では、様々な試練があって避けては通れない事も多いです。でもそれを乗り越えバネにして、一層高く飛躍していく強さやたくましさ、したたかさやマインドを、子供と一緒に母親自身も獲得していくのだと実感します。子育てを通して、親自身も様々な「追経験」をする事で、新たな「価値観」や「視点」を獲得して成長し、人生がより味わい深いものになっていくのだと思います。 

今後はそれを中心に書いていこうかなぁ、と思います。

まだまだ下には微妙に反抗期の女子高生もおりますので😅、今後とも当ブログにお付き合いくださると嬉しいです。    どうぞ宜しくお願い致します♪

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