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10. 東大生の浪人時代

東大生の浪人時代(4)~将来の夢~

息子トムは、浪人時代の夏休みまでに、東大受験に向けた各教科の基礎固めを完了したようでした。夏休み明けの秋以降は、駿台の授業後に自習室にこもる事もなく、まっすぐ家に帰って家族と共に夕食と団らんを楽しむ余裕を見せるようになりました。夕食後には家族と一緒にTVを見たりしてくつろぐ様子も。

「この余裕は一体何なんだろう??」と思っていると、9月に実施された予備校主催の大学別模試で好成績を収めたのです。駿台主催の模試は在校生は無料で受験できるので腕試しに受けたらしく、「大阪大学模試」の医学部医学科の判定で、なんと全国4位のA判定を取ったのでした。  

医学部至上主義

私はふと、「これなら国立大医学部もいけるんじゃないか」とむくむくと要らぬ欲が湧いてきました。

というのも、トムやJK娘の通っている私立中高一貫校では医師のご家庭が異様に多く、ママ友達の大学に対する評価基準は、「医学部医学科」か「それ以外」しかないのです。たとえ東大であっても、理Ⅲ(医学部)でなければ価値はない、のだそうです😳

世の中、二世の多い職業ほど美味しいといいます。医師などはその典型で、なんとしても子に継がせたい職業のNO.1なのだろうと思います。社会的ステータスも、経済的レベルも(開業医になれば更に)最高位なのですから当然ですが。

サラリーマン家庭の我が家では計り知れない世界ですが、国立でも私立でも、とにかく何が何でも「医学部」に我が子を合格させて、医師の国家資格をとらせたいと躍起になるママ達をたくさん見てきました。医師の妻として、息子を医学部に入れる事が、子育てにおける最大のミッションであるかのようでした。ママ友の知人には、医学部を目指して7浪もしている息子さんを持てあまし、深刻に悩んでいるという院長夫人もいました。彼女の話によれば、息子さんは既に3~4年前から受験勉強などしておらず、予備校も休みがちで、趣味の音楽活動に没頭しているらしいのです。しかし開業医である夫がそれを許さず、もうずっと親子の確執の膠着状態が続いているというのです。ちなみにその医学部専門の受験塾は、年間の授業料が1000万もかかるそうです。お金持ちだから経済面ではいいとしても、その息子さんの将来は一体どうなってしまうのだろうと、他人事ながら心配になります。

医学部至上主義のママ友のなかには、 

「偏差値75もあるのに、どうして東大工学部志望なの?」と真顔で聞いてくる人もいました。

それで私もすっかり洗脳されそうになりました😓 

将来の夢とは

肝心のトムはというと、医師という職業には全く適性がないのでした。・・・本人曰く根本的に、「人体」だの「生物」だのに全く興味の持てない人なのでした。そもそも小さい頃から「血」を見る事が大嫌いで、消毒薬の匂い漂う「病院」という場所が、生理的に苦手な子供でした。まるで「昭和の男子」です。トム自身が鼻炎やインフルエンザの予防接種などで病院に行かなくてはならない時には、一緒に付き添う母には、病院に近づくにつれてトムのテンションが「ザーッ」という音を立てて下がるのが分かりました。トムは典型的な、「病院嫌い」のタイプの人間なのでした。

「聞いても無駄だとは思うけど、医師という職業に、少しは興味ある?」私は一縷の望みをかけて聞いてみました。

トム: 「・・・ない病院という場所で人生の大半を費やすなんて、俺には全く想像ができない😥」

多少の期待はあったものの、やっぱりそうかと私は内心がっかりしました。

トムは、自然現象や物理科学の分野に強い関心がありました。理系と一口に言っても、様々なタイプがいるものです。高3の時は、将来は「建築家」になりたいと言っていました。幼い頃から大好きだったLEGOブロックの影響だと思います。難易度の高いデザイナーズシリーズを買い与えると、あまりにも素早く作り上げてしまうので、私は調子に乗って、「トムにはデザイン性や数学的センス、空間把握能力があるから、将来は建築家なんか向いてるんじゃないの?」などと褒めておだてたものでした。

子供とはよくも悪くも親の言葉を潜在意識に深く刷り込むようです。以来ずっと「建築家」を憧れの職業として意識してきたようなのでした。

東大は入学後2年間は「教養課程」となり、理科Ⅰ~Ⅲ類の学生たちが同じ駒場キャンパスで同じ内容の勉強をします。学部進学は3年生からで、その間はじっくりと自分の適性や将来の希望を自問自答して、進むべき学部を選ぶことができます。浪人した事で精神的・学力的余裕ができ、「東大合格」のその先の、「将来の職業」についてじっくりと考える時間ができたのは、得難い経験だったのかもしれないと、改めて感じるのでした。

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