1. 東大生がハマッたもの

東大生がハマったもの(2)~レゴブロックが与えてくれたもの~

先週は北京出張や東京出張などがあり、すっかりブログ更新が滞ってしまいました😓それでも毎日覗きに来て下さる方がいて、本当にありがたいです!いつもありがとうございます😂

レゴブロックとの出会い

さて、息子トムは幼い頃からレゴブロックが大好きでした。東大生の実に7割が、幼い頃レゴで遊んだというデータがあるそうですが、トムもまさにその一人でした。当時私には「レゴ≒知育玩具」という認識はなく、単純に子供達が好きなおもちゃの一つ、という程度の認識でした。

実家に帰省する途中に立ち寄る大型アウトレットモールの中にレゴショップが入っていて、私が他店で買い物をする間、そこの体験コーナーで子供二人を遊ばせるのが常でした。他にもお子さんが大勢いて大量のレゴで思い思いの作品を作っていて、店員さんも見ていてくれるので子供だけでも暫らく放置できるので助かりました(笑)。うちの子供達も1~2時間はそこで夢中になって遊んでいて、買い物を終えて迎えに行くと、必ず二人とも大きなレゴの商品をそれぞれ抱えていて、必ず買わされたものでした。レゴのセットはひとつ数千円はするので、2人分は結構な出費になりましたが、子供二人を1~2時間預かってもらったお礼だと思って、毎回買っていました。二人とも帰宅後は数時間かけて物凄い集中力で組み立てていました。今思えばあれは遊びを通して理系脳を鍛え上げていたのだと思います。特にトムは4~5歳の頃からのめり込むようになりました。

人だかりを覗いてみると

ある時、いつものように買い物を終えた私はレゴショップの体験コーナーに二人を迎えに行きました。すると何やら子供や大人達の人だかりが出来ています。嫌な予感がして覗いてみると、その輪の中心にトムが座っていました。 

「なにやってんのなにを・・・😱」

時々拍手と歓声が上がっています。トム(当時小3くらい)はあぐらをかいて真ん中に座り、レゴで何かをひたすら作り続けています。

・・・・どうやら周囲の小さなお子さん達のリクエストに応えて、即興でレゴブロックで作品を作っているらしいのでした。

覗いた時はちょうど、恐竜ティラノサウルスの頭部を、赤いレゴブロックのみで制作している途中でした。もちろん取説なども何も見ず、ただ頭に浮かんだティラノサウルスのイメージ画像を、ひたすらに手を動かして3Dで再現しているのでした。口を大きく開いて、今にも雄叫びを上げそうな迫力あるティラノサウルスの頭部をみるみる完成させ、リクエストした男の子に手渡すと、

「わぁすごいすごい!きょうりゅうだぁ😳」「こんどはぼくにもつくって!ヘリコプター!」「つぎはぼくも!」と次々に小さなお子さんがどっと群がってきます。その周囲の親達も、「すごいわねこの子」などと言い合っていました。

・・・私はこの時初めて、息子トムを少しだけ誇らしく感じました。当時、小学校では「問題児」扱いされていただけに、この子にこんな才能があったのか、と少なからず感心したものです。 

なにやら声をかけにくくなり、人垣の後方からそっと見守っていると、トムが私を見つけました。そして私の方を指さし、「お母さんが迎えに来たから、ばいばい」と言って立ち上がり、その場から立ち去ろうとした瞬間、その場にいた子供達から一斉にブーイングが起こったのです😳😳😳

「えええ~もういっちゃうの!?」「もっとつくってよ~!」

私は他のお子さん達に恨めしそうににらまれました。その場にいた親達からは何やら羨望の眼差しを感じました。大道芸人の風船お兄さんさながらに、その場の子供達のリクエストに応えて即興でモノを作り上げる息子トムに、「勉強はできなくても、芸は身を助くだわぁ~😅」などと感心したものです。しかしこの素養こそが、数学的センスの現れである事を、当時の私は知り得ませんでした。遊びと勉強は紙一重です。特に指を使って細かなパーツをくみ合わせていくレゴは、指先の器用さ・創造力・空間把握能力・集中力・美的センスなどなどあらゆる能力が鍛え上げられる優れた知育玩具である事を、当時は全く知りませんでした😅

レゴを海外から取り寄せる

毎年、誕生日やXmasなども、レゴブロックがプレゼントの定番でした。対象年齢の商品や国内で販売されている商品では飽き足らず、より高度なクリエイターズシリーズやデザイナーズシリーズを求めて、欧米に出張する同僚に頼んでは買ってきてもらう事もしばしばありました。トムは次々と組み立ててしまい、より高度なものをねだりました。一度のめり込むととことん極める性格のトムに、どこまでハマるか試したい気持ちもありました。そして一度レゴ制作に取り掛かると、完成するまで浸食を忘れて何時間でも夢中で取り組む気質があり、小学生らしからぬ執念深さと集中力がありました。

「ル・コルビュジエ」の「サヴォイ邸」

ある時、アメリカ出張の帰りに現地のレゴショップで子供達へのお土産を物色していると、デザイナーズシリーズの「建築物」を見つけました。日本では滅多に売っていないものです。これまでは「恐竜」や「乗り物」が多かったので、ちょっと難しいかなとは思いつつ、今回は「建築物」シリーズを買って帰りました。

そうとは全く知らず買いましたが、実はそれはフランスの有名な建築家ル・コルビュジェの「サヴォイ邸」を模したものでした。ル・コルビュジェといえば20世紀を代表する近代建築の巨匠と言われ、その急進的な建築や都市計画、家具の設計は現代でも傑作と称賛されています。家具のカッシーナのデザイナー兼創設者としても有名ですね。そのル・コルビュジェが1931年に建てた、現代住宅の原点であり近代住宅の最高傑作と言われる「サヴォイ邸」を、そうとは知らず10歳くらいだったトムは、英語の取説と格闘しながらも組み立てたのでした。完成したときトムが漏らした感想は、これまでのようなレゴを組み立て終わった達成感や満足感ではありませんでした。

「お母さん、この建物ってすごいんだよ😳」 

弱冠10歳にして世界的巨匠の建築思想に多少なりとも触れる事ができたのでしょうか。そんな感想を漏らしました。

私は「ほほーう、どこが??フツーの建物にしかみえないんだけど😅」

などとアホで頓珍漢な返答をしてしまい、その先の感想を聞きそびれたのが悔やまれてなりません。恐らくこの事が「建築」に興味を持つきっかけになったのだと思います。建築を単なる建物ではなく、創造物・芸術作品と捉える視点がうまれたのでしょう。 

トムが組み立てた数多くのレゴ作品は、その後バラバラになってレゴブロック自体を専門業者に売ってしまいましたが(レゴブロックって図り売りで結構高く売れるんですね!😳)「ル・コルビュジエのサヴォイ邸」は今もトムの部屋に大切に飾られています。

 

その後、中学受験を控えてレゴブロックは一旦お預けとなってしまいましたが、知育玩具として、純粋なおもちゃとして、素晴らしい製品であると思います。幼いお子さんをお持ちのママは、是非一度レゴブロックを体験させてあげる事をオススメします。トムはその後、念願だった東大レゴ部に所属する事で、好きなだけレゴに没入する事になるのでした😅

後にトムが所属する「東大レゴ部」の作品集!脅威の表現力です😳😳😳


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