息子トムがスマホ依存症を何とか克服し、ようやく勉強に集中し始めたのが高2の9月頃でした。高1の時に、学校主催のオープンキャンパスツアーがあり、先生方が関東や関西の大学に生徒達を引率してくれました。
東工大が第一志望へ(高1時点)
トムは東大、東工大、慶応、早稲田などを巡り、なかでも東工大に非常に興味を持ったようでした。
その後、トムは学校の進路希望調査の第一志望に「東工大」と書くようになりました。地方ではあまり認知度が高くありませんが、私からすれば、スマホ依存症のブランクがあるような人間が目指せる大学ではない事は分りました。おこがましい事この上なしです。またトムは東京に非常に憧れていて、
息子トム
おら、東京さ行ぐだ!!
母(わたし)
東京行くなら大学は国立オンリーね
ウチはサラリーマン家庭だし、下にまだ金食い虫の妹JKも居るので、とても私立に行かせる余裕はない、とトムには釘を刺してありました。本人も納得していて、
息子トム
じゃあ、国立なら東京行ってもいいんだね?
母(わたし)
おお行け行け!どんどん行け!(行けるものなら)行ってみなさい!そしてもっと広い世界を見ておいで~
などとハッパをかけておりました。そしてトムは猛然と勉強し始めました。
「でっかいホワイトボードがほしい。塾で使ってるよーなヤツ。」
そして突如、自室にデカいホワイトボードを買えと言い出しました。
塾などで先生が授業に使うコレです↓↓↓
・・・買いましたとも。ええ。
欲しいという参考書や問題集、受けたいと言う授業や模試は全て受けさせました。😓😓😓
やっとやる気になった息子が嬉しくて、しかし半分とても不安で、とにかく大学受験に必要かつ成果に貢献しそうなものには投資を惜しみませんでした。
トムはドラマ「ガリレオ」の主人公・福山様のように、大きなホワイトボードに一心不乱に長い数式を隅から隅まで書き殴り、あたかも誰かに授業をしているかのように数式や公式を説明しながら難問を解きまくりました。その姿は滑稽でもあり、ちょっと怖くもありました。何かに取り憑かれたかのよーに何時間も書いては消し、解いては消し、を繰り返しておりました。
おそらく中学受験塾で尊敬していた、「数学の神」とあがめる名物先生を脳内で模倣していたのだと思います。とてもエキセントリックな「一人授業」に、私もはじめはビビりましたが、そのうち慣れました(笑)。後から思えばこれは非常に効果的だったと思います。
というのも、大きなホワイトボード一杯に脳内に浮かぶ数式をそのまま書き写し、解法のプロセスを声に出して架空の第三者に説明する行為は、脳内の情報整理と可視化に繋がり、集中力・理解力が格段に高まるのです。
この勉強法は高3の前半まで続きました。数式以外にも漢字や歴史など、暗記項目なども書いては消してを繰り返していました。気分転換にもなったようです。真っ白なホワイトボードを前にすると、気持ちが引き締まり、やる気になると言っておりました。
子供たちには幼い頃から持ち運び可能な小さなホワイトボードを「お絵描き用」として買い与えていました。最初は本当にお絵描き用でしたが、そのうち字を書いたり、公文で習った足し算・引き算を書いたり、時には母へのメッセージボードとしても使っておりました。
(こんなヤツです↓)
幼い頃は、壁掛け固定式ではなく、ノートのように好きな場所と姿勢で描けるものを好んで使っていました。
「ママへ 明日はおべんとうがいるよ トムより」
などなど。
近年、ホワイトボードの子供への教育的効能に注目されているようです。
ホームセンターなどで大小さまざまなものがお安く売られているので、まだお持ちでないご家庭は、お子さんの学齢に合わせて試しに買ってみてあげてください。
「書く(描く)」ことが習慣づけられると、さまざまな効能が期待できます。
ところが「ホワイトボード」って聞くとオフィスツールというイメージが強いですよね。見た目もオフィスっぽいし無粋な感じがして、うちも最初は非常に抵抗感がありました。さらにほとんどの商品の配送先が「法人限定」だったり。
でもその無粋で無機質で巨大なホワイトボードが、自室の慣れ親しんだ勉強部屋に鎮座していると、「受験生」という自覚と現実が呼び醒まされて一定の緊張感が保てたそーです。
子供二人の受験が終わった今は、断捨離しました。数年使って十分役に立ってくれたので、心の中で感謝しつつ解体して近所のゴミ処理センターへ持ち込みました。捨てるのにも抵抗感のないお値段(2万未満のもの)を選んでよかったです。
よーく探すと個人向けで値段もサイズも手頃のものがあります。うちは住宅事情から幅130センチがマックスでしたが、息子が脳内の数式を衝動的にぶつけまくるには丁度よいサイズ感でした(笑)