小学生のお子さんをお持ちのお母さま達から、よく聞かれる質問があります。
「今の時期の習い事は何をやらせたらよいですか?」
不思議なもので、息子が東大に受かると、「よほど凄い英才教育をしたのでは?」と思われるのか、このような質問を時々いただきます。・・・が、そんなことは全くありません。いたって普通の習い事ばかりでした。
公文式や水泳、ピアノや英会話などいろいろありますが、今振り返ってみてよかったのではと思うものに「将棋」があります。これは定期的に通う習い事ではありませんでした。小学校1~3年生のころ、夏休みになると住んでいる市の市民課が公民館を解放して3日間ほど「将棋教室」を開催してくれていました。近所に住むご老人が、無料で小学生に将棋を教えてくれるものです。
ウチは長期の休みになるとずっと学童にお世話になっていたのですが、「面白そうなもの(≒学究的なもの)は何でも体験させてみたい」との私のミーハー体質から、この無料イベントに毎年参加させていました。地域のおじいちゃん達から、いちから将棋のルールを学んで対戦するのですが、これがきっかけとなって将棋の面白さを覚えたようです。毎年夏休みになると、この3日間を非常に楽しみにしていました。
将棋の効能としては、相手の心理や次なる打ち手を読む「先見性」「戦略性」が身につくのだと思います。スポーツのように年齢や性別が問われる事がない、伝統的な頭脳ゲームなだけに、うんと年上や異性と対局することもできて、「礼儀作法」が身に付きます。と同時に勝負の世界ですので「負けを知る」事ができ、自分のどこがいけなかったのかを客観視する「内省」の視点が身に付くことも。あとは「集中力」「忍耐力」などなど。今思えば良いことづくめのように思いますね。
今でもトムはスマホアプリでオンライン将棋をダウンロードして、常に誰かとオンラインで対戦しているようです。それはそれで考えものですが、常に脳みそを使っている状態というのは、本人が楽しいのであれば、非常に良い事なのだと思います。
脳細胞も筋肉と同じで、常に鍛えていなければ衰えますからね。
東大生は、脳みそを酷使するのが大好きで、それが習慣化した人種の集まりなのだと思います。^^;
その素地作りに、幼少期の将棋体験は貢献をしてくれたのだと今は思います。